• 「ニュースレター第35号」(2021年11月)
    • R3.4.28判決 知財高裁 令和2年(行ケ)第10030号 「排水栓装置」事件

      引用発明との相違点に係る構成は周知技術であると認められるものの、当業者は引用発明の構成について、周知技術と共通の課題があることを認識するとはいえないから、その引用発明に周知技術を適用する動機付けがないとして、本件発明の進歩性を否定した審決が取り消された事例。

    • R3.5.20判決 知財高裁 令和2年(行ケ)第10102号 「読取装置及び情報提供システム」事件

      主引用発明の認定において、装置を構成するモジュールだけでは所定の機能を有すると想定されていないものと認められ、当該機能が本件発明と対比されるべき装置には欠かせないものであるから、モジュール単体で本件発明と対比されるべき装置であると認めることはできないとして、甲1(主引例)から甲1発明2(モジュール単体)を認定して本件発明の進歩性を否定した審決が取り消された事例。

    • R3.3.25判決 知財高裁 令和2年(行ケ)第10041号 「止痒剤」事件

      仮説や推論であっても、それらが動機付けを基礎づけるものとなる場合があるといえるが、引用文献の薬理活性の記載は技術的裏付けがなく、限られた著者の提唱する一つの仮説にすぎないものであったとして、本件発明の用途での使用は動機付けられず、引用発明から容易想到ではないと判断され、本件発明の進歩性を肯定した審決を維持した事例。

    • R3.8.30判決 知財高裁 令和2年(行ケ)第10044号 「脂質含有組成物」事件

      主引用例には、相違点2に関する「ω-6脂肪酸の用量を1日又は1回当たり40g以下とすべきこと」についての記載や示唆はなく、技術常識であるとも認められないため、主引用例において、当該用量に係る構成を採用することは動機付けられないと判断し、本願発明の進歩性を否定した審決を取り消した事例。

    • R3.8.31判決 知財高裁 令和2年(行ケ)第10132号 「骨粗鬆症治療剤」事件

      本件3条件を満たす高リスク患者では、100単位投与群の骨折発生率が5単位投与群のそれに対して有意差があったのに対して、本件3条件を満たさない低リスク患者では有意差がなかったことが本件明細書に示されているものの、低リスク患者で有意差がなかったことが症例数不足によることを否定できず、高リスク患者の骨折抑制が低リスク患者のそれよりも優れているとは結論できないとされ、その結果、本件発明の顕著な骨折抑制効果を認定して本件発明の進歩性を肯定した審決が取り消された事例。

    • R2.11.5判決 知財高裁 令和元年(行ケ)第10132号 「ブルニアンリンク作成デバイスおよびキット」事件

      パリ優先権の基礎となる出願に、追加された実施形態の明示的な記載がなくても、記載の想定内に含まれている場合には、その部分についても優先権の効果は失われないと判断された結果、本件発明の新規性、進歩性等の判断基準日は本件米国仮出願の出願日であるとして、本件発明の進歩性を肯定した審決を維持した事例。

    • R3.6.28判決 知財高裁 令和2年(ネ)第10044号 「流体供給装置」事件

      発明とは課題解決の手段としての技術的思想なのであるから、発明の構成として特許請求の範囲に記載された文言の意義を解釈するに当たっては、発明の解決すべき課題及び発明の奏する作用効果に関する明細書の記載を参酌し、当該構成によって当該作用効果を奏し当該課題を解決し得るとされているものは何かという観点から検討すべきとし、特許発明の課題とその課題解決手段の技術的意義を検討した上で、被告製品が特許発明の技術的範囲に属さない、と判断した事例。

    • R3.3.25判決 大阪地裁 平成31年(ワ)第3273号 「学習用具」事件

      原告製品が一部満たさない構成要件は、進歩性を得るために補正で追加した部分ではなく非本質部分と判断され、均等5要件全てが判断されて均等論が認められ、原告製品が技術的範囲に属するとして、特許権者の被告に対する原告の差止請求権不存在確認が棄却された事例。

    • R3.4.26判決 大阪地裁 平成31年(ワ)第784号 「たこ焼工房」事件

      被告標章「蛸焼工房」を包装等に使用し、被告のたこ焼きを販売する行為について、先使用権の成立が認められず、原告登録商標「たこ焼工房」の商標権の侵害に該当すると判断された事例。

  • 「ニュースレター第34号」(2021年6月)