判例研究 » ニュースレター
- 「ニュースレター第19号」(2015年10月)
- H27.5.27 判決 知財高裁 平成 26 年(行ケ)第 10150 号「オーバーヘッドホイスト搬送車」事件
主引用発明に副引用発明の構成を適用することは、主引用発明の技術的意義を失わせることになり、そもそもかかる構成を追加する必要性がなく、そのような構成に変更する動機付けが認められないとして、引用発明から容易想到でないと判断された事例。
- H27.7.30 判決 知財高裁 平成 26 年(行ケ)第 10270 号 「プロバイオティクス構成成分及び甘味剤構成成分を含む組成物」事件
引用発明が上位概念で構成されている場合、その下位概念に本願発明と重なる構成が含まれるとしても、本願発明の構成が当然に開示されていることにはならないとして、審決の一致点・相違点の認定は誤りであると判断された事例。
- H27.8.5 判決 知財高裁 平成 26 年(行ケ)第 10238 号 「活性発泡体」事件
薬剤投与に用いる活性発泡体について、明細書及び図面の記載並びに出願当時の技術常識に基づき、当業者がその物を作ることができ、かつ、その物を使用できるとして、実施可能要件を満たす余 地があると判断された事例。
- H27.8.20 判決 知財高裁平成 26 年(行ケ)第 10182 号 「うつ症状の改善作用を有する組成物」事件
うつ症状の改善のための医薬組成物である補正後の発明について、引用文献にはその用途に係る構成が記載又は示唆されておらず、これを採用する動機付けがないとして、容易に想到できないと判断された事例。
- H27.6.16 判決 知財高裁 平成 26 年(ネ)第 10104 号「窒化物半導体素子」事件
特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するために、発明の詳細な説明の記載等を斟酌し、その技術的意義を明らかにすることは、特許請求の範囲に記載のない構成要件を付加するこ とにはならないとして、被告製品が特許発明の技術的範囲に属さないと判断された事例。
- H27.8.3 判決 知財高裁 平成 27 年(行ケ)第 10023 号 「のらや」事件
本件登録商標は、旧商標に係る商標権の存続期間が満了することに乗じ、元商標権者に無断で出願して登録されたものであり、商標法4条1項7号の「公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標」に該当すると判断された事例。
- H27.5.27 判決 知財高裁 平成 26 年(行ケ)第 10150 号「オーバーヘッドホイスト搬送車」事件
- 「ニュースレター第18号」(2015年6月)
- H27.6.5判決 最高裁 平成24年(受)第1204号「プラバスタチンナトリウム」事件
物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合であっても、その特許発明の技術的範囲は、当該製造方法により製造された物と構造、特性等が同一である物として確定されるものと解するのが相当であると判断した事例。
- H27.4.13 判決 知財高裁 平成 26 年(行ケ)第 10179 号 「心血管の機能を向上する為の組成物及び方法」事件
引用文献に薬理データ等の実験的な確認に関する開示がなくても本願発明と同じ心血管機能改善剤が開示されていると認定された事例。
- H27.4.28 判決 知財高裁 平成 26 年(行ケ)第 10175 号 「振動低減機構」事件
特許請求の範囲に記載された用語が従来技術を説明するために異なる意味で明細書に記載されていたとしても、本件発明を認定する際に、本件発明における当該用語の技術的意味を左右するものではないとされた事例。
- H27.3.25 判決 知財高裁 平成 25 年(ネ)第 10100 号 「多孔質複合体の製造方法」事件
被控訴人が単独で特許出願を行った発明について、発明の特徴的部分の認定、控訴人の研究者の関与を詳細に検討した結果、控訴人の研究者が共同発明者であると判断された事例。
- H27.1.22 判決 東京地裁 平成 24 年(ワ)第 15621 号 「強度と曲げ加工性に優れたCu-Ni-Si系合金」事件
侵害となる行為だけを被告が中止しようとすると、侵害とならない行為までも中止しなければならなくなるから、原告が特定した被告各製品について差止めを認めると、過剰な差止めとなるおそれを内包するものといわざるを得ないとして、差止請求が棄却された事例。
- H27.2.10 判決 東京地裁 平成 24 年(ワ)第 35757 号 「水消去性書画用墨汁組成物」事件
本件特許の登録から特許公報の公開までの期間であっても、特許法103条に基づく過失の推定の覆滅は認められないとされた事例。
- H27.4.14 判決 知財高裁 平成 26 年(ネ)第 10063 号 「幼児用椅子」事件
実用品である幼児用椅子が、「美術の著作物」として著作権法上保護されるものと判断された事例。
- H27.6.5判決 最高裁 平成24年(受)第1204号「プラバスタチンナトリウム」事件
- 「ニュースレター第17号」 (2015年2月)
- H26.9.24 判決 知財高裁 平成 25 年(行ケ)第 10255 号 「芝草品質の改良方法」事件
同じ材料を同じ手段、方法で用いているが、方法に関する機能的な発明特定事項が考慮され て、新規性、進歩性が認められた事例。
- H25.2.27 判決 知財高裁 平成 24 年(行ケ)第 10221 号「洗浄剤組成物」事件
本件発明と引用発明との各構成成分が一致する場合に、本件発明の「主成分」の記載は引用発明の「不純物」の記載から容易であるとして、進歩性が否定された事例。
- H26.9.24 判決 知財高裁 平成 26 年(行ケ)第 10014 号「知識ベース」事件
ソフトウェア発明の成立性について、技術的課題、課題解決手段、効果等の技術的意義に照らし、全体として「自然法則を利用した」技術的思想の創作には該当しないと判断された事例。
- H26.10.9 判決 知財高裁 平成 25 年(行ケ)第 10346 号「水晶発振器と水晶発振器の製造方法」事件
明細書に各々独立した態様で記載された技術的事項について、これらを併せた事項を追加することになる訂正が新規事項の追加に当たる、と判断された事例。
- H26.10.23 判決 知財高裁 平成 26 年(ネ)第 10051 号 「痴呆予防及び治療用の組成物」事件
請求項を削除した補正が、その後特許された他の請求項の文言の解釈に影響して非侵害と判断された事例。
- H26.8.27 判決 知財高裁 平成 26 年(ネ)第 10016 号「二酸化炭素外用剤調製用組成物」事件
本件特許発明の実施品が第三者の特許権の侵害品に当たる場合に、特許法102条2項の推定覆滅事情に当たり得る余地があると示唆されたが、当該事情に当たらないと判断された事例。
- H26.9.24 判決 知財高裁 平成 25 年(行ケ)第 10255 号 「芝草品質の改良方法」事件