知財高裁 平成18年(行ケ)第10497号 審決取消請求事件

(平成19年3月12日判決言渡、キーワード:商標法4条1項11号)

 

要約

 審決は、本件商標と引用商標との類否判断を誤ったものであるから違法として取り消されるべきである、との原告の主張が認められた事例(審決取消)

 

事案の概要

 本件は、被告の有する「MAGICALSHOESOURCE」の欧文字を標準文字により書してなる本件商標について、原告が無効審判請求をしたところ、特許庁は、上記審判請求は成り立たないとの審決をしたため、原告が、その取消しを求めた事案である。

 引用商標としては、「THE SHOESOURCE」の欧文字よりなる商標(引用商標1)と、「Payless ShoeSource」の欧文字よりなる商標(引用商標2及び3)が挙げられており、いずれの引用商標についても「シューソース」という称呼が生ずる部分を有している。

 本件では、本件商標の特徴的部分が「SHOESOURCE」であるか否かが争いとなった。

 

審決の概要

 審決では、『本件商標は、一連に一体的に表示され、殊更、「SHOESOURCE」の文字部分のみを分離して称呼しなければならない格別の理由は見当たらないから、本件商標は、「マジカルシューソース」の称呼のみを生ずる。他方、引用商標1からは「ザシューソース」の称呼を生じ、また、引用商標2及び3からは、「ペイレスシューソース」の称呼を生ずる。本件商標と各引用商標より生ずる上記の両称呼は、相違する各音の音質の差、音構成の差等により十分に区別できるものであり、仮に、各引用商標より「シューソース」の称呼を生ずることがあるとしても、本件商標は不可分一体のものとして看取されるものであるから、各引用商標とは、称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。』と判断し、本件商標と各引用商標とは、非類似であると判断した。

 

裁判所の判断

 これに対して、裁判所は、『「MAGICAL」の部分は、「魔法の、不思議な、魔術的な、神秘的な、魅力的な」等を意味する語として、我が国においてもよく理解され,普通に使用されている英単語であり、しかも,商品の内容を説明する修飾語と理解できることからすれば、その自他商品識別機能は小さい。これに対し「SHOESOURCE」の部分は、「靴の供給元」なる観念を生ずると理解する余地がないわけではないが、そもそも、「SHOESOURCE」なる語が英単語として存在することを認め得る証拠はなく、少なくとも一般には、「SHOESOURCE」なる表記を目にした者がその意味を理解することは困難であり、仮に当該表記から靴の製造者・販売者としての観念を読みとり得るとしても、それは辞書等に収録されていない新たな言葉ないし造語であるから、これを見る者の注意をひくものと認められる。』と判断し、審決を取り消した。