化学・バイオ・医薬
審決取消請求事件 侵害差止等請求事件
最終更新日 2011年12月21日
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審決取消請求事件
事件概要 キーワード
平成22年(行ケ)第10350号
  無効審判審決取消請求事件 知的財産高等裁判所

平成23年10月4日判決言渡   判決:審決取消
[原告の主張]  原告は,無効審判請求書(甲12)において,甲1〜甲6に基づいて,当業者の技術常識として,本件発明でいうA成分(「麦を原料の一部に使用して発酵させて得たアルコール含有物」)とB成分(「少なくとも麦を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留して得たアルコール含有の蒸留液」)とを混合してなる麦芽発酵飲料が本件出願前に広く一般に知られた周知の麦芽発酵飲料であることを明らかにし,この周知の飲料を前提に,本件発明を甲1又は甲2に記載された発明と対比して,その新規性欠如を主張し,また,進歩性欠如を主張した。たとえ審決に明示的な判断が示されていないとしても,新規性欠如及び進歩性欠如の無効理由を審理判断するに際して,審決が,その前提として,甲1〜甲6に基づく周知技術に関しての原告の上記主張を審理判断の対象としたことは明らかである(仮に,そうでないとしたら,審決には判断の遺脱があることになる)。
[争点]  審決の判断の遺脱の有無

判断の遺脱
平成23年(行ケ)10100号
  審決取消請求事件 知的財産高等裁判所

判決:請求認容(審決取消)
審決には引用発明の認定の誤り、相違点の看過等があるとして、本願発明が進歩性を欠如すると判断した審決を取り消した事例

技術的意義
数値範囲
特許法29条
平成22年(行ケ)10348号
  審決取消請求事件 知的財産高等裁判所

判決:請求棄却
被告の特許に対する原告からの無効審判請求の棄却審決に基づき、原告が審決に対して取り消しを求めた事案

実施可能要件
容易想到
技術常識
技術的範囲
特許法36条4項、29条2項
平成22年(行ケ)第10073号 「ヒトパピローマウイルス18型をコードするDNA」事件
  拒絶審決取消請求事件 知的財産高等裁判所

平成23年5月23日判決言渡   判決:請求棄却
単離精製され配列が特定されたウイルスDNAの発明に対し、配列の相同性が高く起源が異なるウイルスDNAを開示する引用例によって、進歩性なしと判断した拒絶審決が維持された事例

進歩性
平成22年(行ケ)10324号
  無効不成立審決取消請求事件 知的財産高等裁判所

平成23年7月7日判決言渡   判決:請求認容(取消)
発明の名称を「液晶用スペーサー及び液晶用スペーサーの製造方法」とする被告の特許の請求項1について、原告が無効審判請求をしたところ、特許庁が請求不成立の審決をしたことから、原告がその取消しを求めた事案

新規性
進歩性
平成22年(行ケ)10301号
  拒絶審決取消請求事件 知的財産高等裁判所

平成23年7月19日判決言渡   判決:請求棄却
有効量のブリモニジンと有効量のチモロールを、同一の担体中に含む医薬組成物である本願発明につき、有効量のブリモニジンを含有する組成物と有効量のチモロールを含有する組成物とを組み合わせて用いる医薬組成物について記載されている引例に基づき、進歩性なしとした拒絶審決が維持された事例

進歩性
周知の技術的課題
平成22年(行ケ)10352号
  拒絶審決取消請求事件 知的財産高等裁判所

平成23年7月27日判決言渡   判決:請求棄却
 4−クロロブチル o−ニトロベンゼンスルフォナート化合物に関する本願発明につき、4−クロロブチル p−メチルベンゼンスルフォナート化合物について記載されている引例1に対して、「o−ニトロベンゼンスルフォナートも、p−メチルベンゼンスルフォナートより優れた脱離基である」との記載がある引例2を適用し、脱離基としてより優れたものを用いて不純物の少ない高純度の最終生成物を得られることは、当業者が予測し得ることであるため、進歩性なしとした拒絶審決が維持された事例

容易想到性
動機づけ
作用・機能の共通性
平成22年(行ケ)第10363号
「チオキサントン誘導体」事件   却下審決取消請求事件 知的財産高等裁判所第3部 

平成23年5月30日判決言渡   判決:請求認容
共有者の一部がした拒絶査定不服審判を不適法な請求であって,その補正をすることができないものとして却下した審決が取り消された事案

共同審判
平成22年(行ケ)第10246号
「麹培養方法」事件   無効不成立審決取消請求事件 知的財産高等裁判所 

平成23年4月27日判決言渡   判決:請求棄却
「米糠の粉末に,水分を加え粒子状に加工する」との記載について、特許法36条4項及び6項に規定する要件を満たすとした審決の取消を求めたが、請求棄却された事例

記載要件
平成21(行ヒ)326号 原審:平成20年(行ケ)10460
最高裁判所 

判決:上告棄却
本件特許(特許第3134187号)の特許権者である被上告人は、平成17年9月30日に受けた薬事法による製造販売の承認処分(本件処分)を理由に延長登録の出願をした。  しかし、本件処分に先行して、剤形は異なるが、同じ有効成分および効能・効果の医薬品について承認処分(本件先行処分)を受けていたことを理由に拒絶査定・審決を受けた。  原審において、先行処分の存在は、本件の実施になんら影響せず、本件特許発明の実施に本件処分が必要であったことを否定する理由とはならない等と判断され、請求が認容された。

存続期間の延長登録
特許法第67条の3第1項1号
平成22年(行ケ)10249、10250号
特許無効審決取消請求事件  知的財産権高等裁判所 

判決:請求認容
被告からの無効審判請求に基づき、請求項1〜4に係る原告の特許を無効とする審決に対する取消訴訟

実施可能要件
特許法36条4項1号
平成22年(行ケ)第10256号
「スーパーオキサイドアニオン分解剤」事件 審決取消請求事件 知的財産高等裁判所 

平成23年3月23日判決言渡   判決:審決取消し
審決は、本件特許発明は、甲1及び甲2記載の発明と同一でなく、また、これらの記載及び本件優先日当時の技術常識を考慮しても、当業者が容易に想到できたものとは認められないから、本件特許を無効とすることはできないと判断した。

用途発明
平成22年(行ケ)10055号
「血管老化抑制剤」事件 拒絶査定不服審判 審決取消請求事件 知的財産高等裁判所 

平成23年1月18日判決言渡   判決:請求棄却
引用発明との関係で顕著な作用効果を示していることが立証されていないとして、進歩性を否定した審決が維持された事例。

進歩性
顕著な効果
クレーム中の効果記載
平成22年(行ケ)第10153号
「接着剤」事件  知的財産高等裁判所第4部 (無効審決取消請求事件)

平成23年2月10日判決言渡   判決:無効審決の一部取消
請求項1−5,9についての実施可能要件に違反するとの審決は維持されたが、全請求項1−10がサポート要件に違反するとの審決が取り消された結果、請求項6−8、10に係わる審決が取り消された。

36条4項1号
36条6項1号
実施可能要件
サポート要件
実施例
GPC
平成22年(行ケ)第10163号
「経管栄養剤」事件  知的財産高等裁判所第4部(拒絶査定不服審判の審決取消請求事件)

平成22年12月22日判決言渡   判決:請求棄却
物の発明に対して、特許法29条1項3号にいう刊行物は、特許出願時の技術常識に基づいて、その物を入手することが可能であれば、当該刊行物にその物の性状が具体的に開示されている必要はなく、進歩性の有無の判断当たり、出願当時の技術水準を出願後に領布された刊行物により認定できるとして、進歩性を否定する審決が維持された。

特許法29条2項
刊行物
技術水準
出願後の頒布
平成22年(行ケ)10109号
知的財産高等裁判所  拒絶審決取消請求事件

平成23年2月28日判決言渡   判決:請求認容
明細書の記載および出願人の意見書に基づき、本願発明と従来技術の効果の差について、具体的な比較実験データ等が示されておらず、本願発明が従来技術に比べて解決すべき課題を達成したものであるか否かが不明であり、特許法第36条第6項第1号の規定を満たさない、とされた拒絶審決が誤りである、として取り消された事例

サポート要件
実施例
比較例
平成22年(行ケ)10170号
知的財産高等裁判所  拒絶審決取消請求事件

平成23年2月17日判決言渡   判決:請求棄却
LPLをコードする核酸配列を含む欠陥組換えウィルスにかかる本願発明につき、LPL欠損による家族性高カイロミクロン血症症候群について、遺伝子治療の可能性が示唆されている引例1と、他の疾患の遺伝子治療の為に欠陥レトロウイルスベクターを使用する方法を記載する引例2および遺伝子治療に複製欠陥アデノウィルスを使用し、体細胞に導入する方法を記載する引例3に基づき、進歩性なしとした拒絶審決が維持された事例

進歩性
平成22年(行ケ)第10177号
「抗ウイルス用医薬組成物」事件 知的財産高等裁判所第3部 拒絶審決取消請求事件

平成23年3月28日判決言渡   判決:請求認容
 本件特許は、平成9年5月2日に設定登録。平成12年3月29日に、先行する薬事法の承認処分(本件先行処分)を受けており、平成16年12月24日に、同じ有効成分や効能・効果を有する品目について剤形を変えた、延長登録の理由となる処分(本件処分)を受けている。

特許法第67条の3第1項1号
平成22年(行ケ)10229号
知的財産高等裁判所 審決取消請求事件

平成22年12月28日判決言渡   判決:請求認容
原告は、進歩性を否定する拒絶審決に対して、理由不備(取消事由1)、手続違反(取消事由2)、相違点の看過(取消事由3)及び容易想到性判断の誤り(取消事由4)を争ったが、そのうち理由不備(取消事由1)が認められて審決が取り消された。

進歩性
理由不備
平成22年(行ケ)第10108号
知的財産高等裁判所第4部 拒絶審決取消請求事件

平成22年11月10日判決言渡   判決:請求棄却
発明の名称を「両親媒性複合体、その製造方法及びそれを含有する組成物」とする特許の出願人である原告が、拒絶査定を受けたので、これを不服として審判請求をしたところ、特許庁が請求不成立の審決をしたことから、その取消しを求めた事案

進歩性
発明の目的
平成22年(行ケ)10050号
知的財産高等裁判所 拒絶審決取消請求事件

平成22年10月28日判決言渡   判決:請求認容
[概要]
バチルス・リチェニフォルミスPWD−1株由来のケラチナーゼが、単離精製され、その特異的活性が示されている引用文献に基づいて、該ケラチナーゼの配列を決定したことに基づく本願発明が、当業者に容易に想到できる内容であるとした審決が容認された事例
[争点]
審決に以下の誤りがあるか。すなわち、
1) 本願発明のDNA配列を見出す動機付けがあったか。
2) 本精製タンパク質に対して、優先日当時の周知技術を適用することの困難性が存在したか。
3) 本願発明のケラチナーゼの高い収率という作用・効果は、本願明細書の記載に基づかないものなのかどうか。
4) 本願発明のケラチナーゼの優れた特性は、DNA配列を見出すことにより得られたと動機づけられたか。
5) 本願発明のケラチナーゼが、ズグチリシンカールスベルグ遺伝子がコードするケラチナーゼとの比較において、優れた羽毛分解特性を有することは、明細書の具体的記載に基づかない主張であるか。

進歩性
平成22年(行ケ)第10104号
知的財産高等裁判所 無効審判審決取消請求事件

平成22年11月10日判決言渡   判決:審決取消
[概要]
 原告は、以下の点を主張した。
 『本件発明1が「水酸化ナトリウムの配合量が組成物の0.1〜40重量%」と規定するのは,本件発明の3成分系として,「アスパラギン酸二酢酸塩類及び/又はグルタミン酸二酢酸塩類」及び「グリコール酸ナトリウム」に「水酸化ナトリウム」を加えて高アルカリ条件下に置くことを意味している。他方,引用例1には,水酸化ナトリウムを含有する旨の記載はなく,実施例4には,炭酸ナトリウムが含有されているが,これは実験系のpHを8ないし11の弱アルカリ性に調整することのみを目的とするものである。本件審決は,相違点2について,引用例2及び周知例1ないし3を根拠にして,各種工業プロセスの硬表面の洗浄に用いられるエチレンジアミンテトラ酢酸塩(EDTA),ニトリロ三酢酸塩,ヒドロキシエチルイミノジ酢酸塩,グルコン酸塩等の金属イオン封鎖剤を含む洗浄剤組成物において,水酸化ナトリウムをその成分とすることは,周知の技術であるとする。しかしながら,EDTA塩類を主成分とする洗浄剤組成物に水酸化ナトリウムを加えることが周知技術であるとしても,少なくとも本件発明1の成分であるアスパラギン酸二酢酸塩類とグルタミン酸二酢酸塩類とのキレート剤(金属イオン封鎖剤)を主成分とする洗浄剤組成物に水酸化ナトリウムを加えることが周知技術に含まれるものではなく,まして,アスパラギン酸二酢酸塩類及び/又はグルタミン酸二酢酸塩類とグリコール酸ナトリウムの2成分に加えて,水酸化ナトリウムを0.1ないし40重量%の配合量として高アルカリ条件とすることが,キレート剤を主成分とする洗浄剤組成物における周知技術であるということはできない。』

阻害要因
「納豆菌培養エキス」事件 平成22年(行ケ)第10038号
知的財産高等裁判所 無効不成立審決取消請求事件

平成22年9月15日判決言渡   判決:請求認容(取消)
進歩性のある製法によって得られた新規な物について、その物性を特定した物の発明に関して、同様の課題と異なる製法が記載された副引例を主引例に適用することで、容易に想到できるとして、無効不成立の審決が取り消された事例

進歩性
「固形の熱成形し得る放出制御医薬組成物」事件 平成22年(行ケ)第10001号
東京高裁第3部 審決取消請求事件

平成22年8月31日判決言渡   判決:請求棄却(拒絶審決容認)
2成分系組成物である本願は、実質的な3成分系組成物が開示されている引例から容易に想到できるとした審決の取り消しを請求したが、引例にも実質的に2成分系組成物が開示されているとして、請求が棄却された。

進歩性
発明の認定
2成分と3成分
平成21年(行ケ)第10434号
知的財産高等裁判所 拒絶査定不服審判審決取消請求事件

平成22年8月31日判決言渡   判決:審決取消
[概要]
 原告は、以下の点を主張した。
 『第三者は、本願各補正発明に記載された各種のパラメータを基に本願各補正発明に係る弾性特性を明確に理解することができ、各吸収性物品の弾性特性に係る各種パラメータの数値を測定することによって、当該吸収性物品が本願各補正発明の特許請求の範囲に含まれるか否かを確定することができる。したがって、本願各補正発明に係る特許請求の範囲の記載は、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるとはいえないから、法36条6項2号に違反しない。そうであるのに、審決は、発明の構成自体の明確性ではなく、本願各補正発明の奏する作用効果(課題解決)との関連において、構成の技術的意味の明確性を問題にし、法36条6項2号違反を理由に本件補正を却下しているから、審決の同号の解釈、適用には誤りがある』
 これに対し、被告は以下の点を主張した。
 『本願各補正発明において、仮に吸収性物品を構成する構成要素や、大きさ、形状、材質などが特定されていれば、第三者は、その特定された構成から自身の製品が本願各補正発明の技術的範囲に属するおそれがあることを理解し、実験等により当該製品が本願各補正発明の技術的範囲に属するか否かを判断することができる。これに対し、本願各補正発明のように、吸収性物品の具体的な構成が予想できないような場合には、第三者が自身の製品が本願各補正発明の技術的範囲に属するおそれがあることを構成から理解することが困難であって、結局、自身の吸収性物品の弾性について常に実験等を行わざるを得なくなり、そのような実験の負担を怠ると第三者は不測の不利益を受けることになる。したがって、本願各補正発明に係る特許請求の範囲の記載は、その技術的範囲が不明確であるというべきである。』

明確性
「リンパ芽腫細胞系」事件 平成22年(行ケ)10029号
知的財産高等裁判所 拒絶査定不服審判 審決取消請求事件

平成22年9月30日判決言渡   判決:請求認容
引用文献に記載の細胞が寄託されていない場合において、引用文献の著者らが当該細胞を第三者に分譲する意思がなかったから、「頒布された刊行物に記載された発明」には該当しないとして、新規性を否定した拒絶審決が取り消された事例

新規性
刊行物に記載された発明
寄託
平成22年(行ケ)10353号
知的財産高等裁判所 無効審決取消請求事件

平成22年9月30日判決言渡   判決:請求認容(無効審決取消)
[概要(経緯)]
 ・H17.12. 9     :本件特許権の登録(本件原告:雪印乳業)
 ・H19. 2.14     :無効審判請求(本件被告:明治乳業)
 ・H19.12.14〜H20.4.7:無効審決(1st)⇒審取訴訟⇒訂正審判(認容)⇒審決取消
 ・H21. 2.24〜H21.6.5:無効審決(2nd)⇒審取訴訟⇒訂正審判(認容)⇒審決取消
 ・H21. 9.25〜    :無効審決(3rd)⇒審取訴訟(本件訴訟)⇒請求認容(審決取消)
[争点]
 (1)引例の認定&相違点B『はがれない状態に一体化させ』の容易想到性判断(取消事由1)
 (2)相違点E『加熱する』&相違点F『チーズの漏れがない』の容易想到性判断(取消事由2,3)
 (3)『はがれない状態に一体化』の36条6項2号についての判断(取消事由6)  …等

進歩性
記載要件
「樹脂積層体」事件 平成21年(行ケ)10112号
知的財産高等裁判所 無効審判(請求成立)審決取消請求事件

平成22年1月28日判決言渡   判決:請求認容(特許有効)
審決は、引例の化合物(の官能基)を上位概念化して認定した点において、引用発明の認定の誤りがあり、その結果として相違点の想到容易性の判断を誤ったものであるとして、進歩性欠如による無効審決が取消された事例

特許法29条第2項
進歩性
引用発明の認定
「溶剤等の攪拌・脱泡方法とその装置」事件 平成21年(行ケ)10329号
知的財産高等裁判所 審決取消請求事件

平成22年7月28日判決言渡   判決:請求認容(審決取消)
発明の名称を「溶剤等の攪拌・脱泡方法とその装置」とする被告の特許について、原告が無効審判請求したところ、被告により訂正請求がなされ、特許庁が請求不成立の審決をしたことから、原告がその取消しを求めた。

容易想到性
動機づけ
クレームされたタンパク質に別のポリペプチドが付加された医薬品の承認をもとになされた延長登録出願が、当該別のポリペプチドの存在のために拒絶された審決が取り消された事例
平成21年(行ケ)第10092号 拒絶審決取消請求事件

平成21年12月3日判決言渡
本件特許は、平成11年7月30日に設定登録。エタネルセプトの治験の開始は、平成11年12月17日、承認日は平成17年1月19日。治験開始日から承認日までの5年を超える期間につき、5年間の延長を求めて、延長登録出願を行った。特許にかかるクレーム記載の発明に、エタネルセプトが含まれるか否かが問題となった。

特許法第67条の3
「日焼け止め剤組成物」事件 平成21年(行ケ)10238号
知的財産高等裁判所 拒絶査定不服審判(請求不成立)審決取消請求事件

平成22年7月15日判決言渡   判決:請求認容(審決取消)
UVB日焼け止め剤活性種として当初明細書に具体的な効果の明記のなかった「2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸」についての実験結果を審判請求理由補充書にて追加したが、当該実験結果は参酌できないとしてなされた拒絶審決の取消しを求めた事案。

進歩性
発明の効果
「抗血小板用医薬組成物の製造方法」事件 平成21年(行ケ)第10170号
知的財産高等裁判所 拒絶審決取消請求事件

平成22年5月10日判決言渡   判決:請求棄却
スクリーニング工程を含む医薬組成物の製造方法が、化合物が特定できないため実施可能要件違反であるとした拒絶審決が、維持された事例。

実施可能要件
スクリーニング方法
平成21年(行ケ)10144号 知的財産高等裁判所
拒絶審決取消請求事件

平成22年3月30日判決言渡   判決:請求認容
2つの引用例に基づき容易想到とされた補正発明1に対する拒絶の判断が、引例の認定および容易想到性の判断に誤りがあるとして取り消され、かつ、先願発明と同一であるとされた補正発明2に対する拒絶の判断が、先願発明との同一性の認定の誤りがあるとされ取り消された事例

進歩性
先願との同一性
「局所微量栄養素送達システム」事件
平成21年(行ケ)第10158号 知的財産高等裁判所
審決取消請求事件

平成22年3月30日判決言渡   判決:請求棄却
原告は,「局所微量栄養素送達システムおよびその用途」の発明に関する特許出願(国際出願番号PCT/US01/11994)をしたが,特許庁は拒絶査定をした。これを不服とした原告は拒絶査定不服審判(不服2006-7939号事件)を請求したが、実施可能要件違反等を理由に請求不成立審決がなされた。これに不服の原告は、知財高裁に訴えを提起したが、裁判所は実施可能要件を満たさないとした審決の判断に誤りはないとして、原告の請求を棄却した。

実施可能要件
過度の試行錯誤
「フルオロエーテル組成物及びルイス酸の存在下における
                         その組成物の分解抑制方法」事件
平成20年(行ケ)10276号 知的財産高等裁判所
無効審判の請求不成立の審決取消請求事件

平成22年1月19日判決言渡   判決:審決取消
特許無効審判請求において,無効理由はないとして請求を不成立とした審決が,分割要件違反及び実施可能要件に違反があるとして,取り消された事案である。

分割要件
実施可能要件
「抗酸化剤」事件
平成21年(行ケ)10134号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件

判決:審決取消
[概要]
平成15年2月5日  出願日
平成20年6月27日 拒絶査定
平成20年8月4日  審判請求
平成20年9月3日  手続補正
平成20年12月2日 拒絶理由通知
平成21年2月3日  手続補正
平成21年4月15日 拒絶審決
         (17条の2B、29条A、36条E-1⇒独立特許要件欠如⇒補正却下)

新規事項の追加
サポート要件
進歩性
「性的障害の治療におけるフリバンセリンの使用」事件
平成21年(行ケ)10033号 知財高裁 拒絶査定不服審判 審決取消請求事件

平成22年1月28日判決言渡(請求認容)
医薬用途発明において、明細書中に薬理データの記載がないことのみをもってサポート要件違反とすることは理由不備の違法があるとして、拒絶審決が取消された事例

サポート要件
薬理データの要否
理由不備の違法
「酸化チタン系熱放射性塗料」事件
平成21年(行ケ)10130号 知財高裁 無効不成立審決取消請求事件

平成21年10月13日判決言渡(請求棄却)
「無機接着剤」についての定義や材料の例示等がない場合、発明の明確性(特許法36条6項2号)、及び、実施可能要件(特許法36条4項)を充足しているかが争われ、当業者の技術常識や、本件発明における無機接着剤の位置付けに照らせば、無機接着剤との記載があれば、明確であり、また、当業者による選定及び調整によって対応される範囲内の事柄であるから実施可能であるとされた事例

発明の明確性
実施可能要件
シクロスポリン含有医薬組成物事件
平成21年(行ケ)10097号 知財高裁 審決取消請求事件

平成21年11月19日判決言渡(請求認容)
原告は、本件特許(「シクロスポリン含有医薬組成物」、特許第1996397号)につき,存続期間の延長登録出願をしたところ,拒絶査定を受けたのでこれに対する不服審判請求をしたが,特許庁が請求不成立の審決をしたことから,これに不服の原告がその取消しを求めた。  知財高裁は,承認権者たる厚生労働省が保険診療との調整を理由に承認を保留していた期間も、67条の3第1項第3号の「その特許発明を実施することができなかった期間」に含まれるとして、原告の請求を認容した。

延長登録出願
存続期間の延長
平成21年(行ケ)10070号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件
平成21年12月2日判決言渡(請求認容)
引用例に基づき容易想到とされた拒絶審決が、引例との相違点の認定に誤りがあるとして取り消された事例

進歩性
平成20年(行ケ)10486号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件
平成21年10月28日判決言渡(請求認容)
薬事法に基づく本件処分において、米国臨床試験の実施期間は、特許発明を実施する意思及び能力があってもなお、特許発明を実施することができなかった期間には該当しない、として、延長された期間の一部を認めなかった延長登録の無効審決を維持した事例

存続期間の延長登録
平成20年(行ケ)第10483号 知財高裁 拒絶査定不服審判審決取消請求事件
平成21年11月11日判決言渡(審決取消)
原告は、以下の点を主張した。  『先願による拒絶は,同一発明が既に先願として存在することが理由であるから,先願には完成した発明(実施可能な発明)として後願の発明が記載されていることが必要である。そして、完成された化学物質発明であるためには,実施例と構造の十分な類似性があり,同様の結果が得られると判断される根拠が必要である。たいていの有機化合物につき,その構造にたどり着く可能性のある反応式を示すことはできるが,具体的な化合物(特に大型の化合物)については,生成物の同定や,副生物との単離が困難である等の問題を生じやすく,単に反応式が記載できるというだけで製造されたに等しいとはいい難い。』  これに対し、被告は以下の点を主張した。  『先願明細書等に例示されている化合物のみ,実施例に特に記載されている化合物のみが,「願書に最初に添付した明細書等に記載された発明」であると限定的に解釈するのは,極端な実施例偏重の考え方で,不適切であるからである。仮に,そのような考え方が認められるのであれば,化合物発明については,クレームに包含される膨大な化合物すべてについて実施例をすべて示さないと,クレームに記載された発明は「願書に最初に添付した明細書等に記載された発明」であると認められないことになり,そのようなことは現実的に不可能であり,また,化合物発明においては,実施例に記載されている化合物についてしか特許法による保護を受けられないことになり,その結果,先願発明の実施例に記載されていないクレームに記載された発明に包含される同効の化合物を,第三者が先願発明の教示に基づいて選定して実施することを許し,ひいては,発明の保護及び利用を図る特許法の趣旨に反する結果となるからである。』

記載されているに等しい事項
「HPV感染及び/又は疾患の予防ワクチン」事件
平成20年(行ケ)第10397号 知財高裁 審決取消請求事件

平成21年6月29日判決言渡(請求棄却)
複数のウイルス抗原とアジュバントとの組合せからなる発明に対し、前者と後者とを各々開示する2つの引用例によって、進歩性なしと判断した拒絶審決が維持された事例

進歩性
「共沸混合物様組成物」事件
平成20年(行ケ)第10235号 知財高裁 審決取消請求事件

平成22年1月14日判決言渡(認容判決)
『請求項の記載が矛盾していても、明細書の記載を参酌することによって請求項の記載内容を理解できるため、実施可能要件違反はない。』として、原告(特許権者)の主張が認められた事例

実施可能要件
リパーゼ事件
平成21年(行ケ)第10004号 知財高裁 無効審決取消請求事件
平成21年9月3日判決言渡(請求認容)
無効審判における訂正請求について、請求項ごとに個別に訂正請求をすることが許容され、その許否も請求項ごとに個別に判断されるべきものとして、訂正請求のうちの一部の請求項についてのみ訂正の可否を判断し、訂正が認められないとした審決が取り消された事例

訂正の請求
平成20年(行ケ)第10366号 知財高裁 無効審判(請求認容) 審決取消請求事件
平成21年9月30日判決言渡(請求棄却)
 同一の化合物について、「胃潰瘍治療剤」としての用途が公知の場合に、「胃炎治療剤」の用途発明にかかる特許が進歩性欠如により無効とする審決が維持された事例。  他の薬効が公知である医薬品の用途発明の進歩性は、@本件用途の疾病と薬効が公知である疾病の病態・発症機序の相違の有無、A本件と公知の治療剤の作用機序における相違の有無,B本件用途と公知用途の治療剤の双方に効果のある他の薬剤の比較,検討,C本件化合物を本件用途へ適用を阻害する要素の有無等を総合的に考慮して判断すべきであることが示された。

進歩性
用途発明
課題の共通性
平成20年(行ケ)第10304号 知財高裁 無効審判審決取消請求事件
平成21年8月18日判決言渡(審決取消)
 原告は、以下の点を主張した。  『本件発明が奏する効果は,銅及び硫黄の化学的作用により惹起される樹脂の物理化学的変化に基づくものと推定されるところ,樹脂の化学反応性及び物理化学的変化が樹脂の化学構造によって著しく相違することは,当業者の技術常識であるから,発明の詳細な説明に,エチレン−ビニルアルコール共重合体(水酸基を有する極めて特殊な化学構造から成る樹脂)のみについて,本件発明が奏する効果が認められた旨の記載があるとしても,当業者が,その他の樹脂一般について,本件発明の効果が同様に奏されるものと予測することは到底できない。』  これに対し、被告は以下の点を主張した。  『エチレン−ビニルアルコール共重合体は,酸素吸収剤を配合した場合,樹脂の劣化(ゲル化等)が顕著に発現し,香味保持性も顕著に低下するものである。当業者は,エチレン−ビニルアルコール共重合体に配合しても樹脂の劣化等を十分に回避し,優れた香味保持性を維持することができる本件発明の樹脂配合用酸素吸収剤を他の樹脂に配合した場合,エチレン−ビニルアルコール共重合体の場合と同様又はそれ以上に,樹脂の劣化等を十分に回避し,優れた香味保持性を維持することができるものと十分に理解することができる。』

サポート要件ないし実施可能要件
平成20年(行ケ)第10353号 知財高裁 審決取消請求事件
平成21年4月27日判決言渡(請求棄却)
原告は,発明の名称を「チアゾリジンジオンおよびスルホニルウレアを用いる糖尿病の治療」とする発明につき拒絶査定を受けたので,これに対する審判請求をした(不服2005−4880号事件)。しかし、特許庁は,引用発明との相違点につき容易想到であるとして請求不成立の審決をした。原告はこれを不服として知財高裁に訴えを提起したが、知財高裁は、当該相違点についての容易想到性の判断に誤りはないなどとして請求を棄却した。

進歩性
容易想到性
顕著な効果
平成20年(行ケ)10458号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件
平成21年3月25日判決言渡(請求認容)
薬事法に基づく本件処分の対象医薬品の有効成分および効能・効果が、先行処分と同じであること(但し、剤型が異なる)を理由に、延長登録の出願について拒絶された拒絶審決が覆った事例

存続期間の延長登録
「上気道状態を治療するためのキシリトール調合物」事件 平成20年(行ケ)10261号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件
平成21年3月25日判決言渡(請求認容)
2つの引用発明は、解決課題、解決に至る機序、投与量等に共通性はなく、それらを組み合わせる合理的理由を見いだすことはできないとして、投与方法に関する相違点が想到容易であると認定した審決を取消した事例。 また、審決書には、本願発明の構成に到達することが容易であるとの理解を裏付けるための過程を客観的、論理的に示すべきことが判示された。

進歩性
引例の組合せ
課題の共通性
「ポリマー組成物の製造方法」 平成20年(行ケ)第10205号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件
平成21年3月12日判決言渡(認容判決)
『引用発明に定めた要件が本願発明の構成要件と相違する場合、引用文献に接した当業者が本願発明の構成に至るためには、少なくとも他の公知文献等において、本願発明の構成要件を採用することの動機付け、教示ないし示唆が存在することが必要である。』として、原告(出願人)の主張が認められた事例

動機付け
教示
示唆
平成19年(行ケ)第10361号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件
平成20年9月17日判決
単離されたタンパク質の末端部分配列のみが同定され、核酸が単離・同定されていない場合に、実施可能要件等を満たさないとした審決が維持された事例。

実施可能要件
サポート要件
平成20年(行ケ)10358号 知財高裁 無効審判(請求不成立)審決取消請求事件
平成21年3月31日判決
39条2項違反の拒絶理由を解消するために、所定の数値範囲を「除く」とする補正が、新規事項の追加には該当しないとして、無効審判不成立審決を支持した事例。

新規事項
除くクレーム
サポート要件
平成20年(行ケ)10300号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件
平成21年2月16日判決
「本願発明記載の特定パラメータに関する記載が存在しない引用発明に、前記特定パラメータの数値範囲が重複し、特定パラメータを採用する理由(課題)も共通すると判断された周知技術を、引用発明に適用することにより、本願発明に容易に想到できる」と判断した拒絶審決の取消しを認容した事例。

進歩性
特定パラメータ
課題の相違
平成20年(行ケ)10166号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件
平成21年1月27日判決
「熱粘着式」造粒方法に関する本願発明が、構成類似で熱粘着式との特定のない引用文献に基づいて容易想到であるとされた拒絶審決が覆った事例。

進歩性
平成20年(行ケ)第10096号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件
平成21年1月28日判決
被告は、「引用例には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と「相溶性、接着性が一層良くなるように」ビスフェノールF型フェノキシ樹脂を用いることの動機付けがある」と主張した。  一方、原告は、「フェノキシ樹脂は・・・エポキシ樹脂と構造が似ていることから相溶性が良く」(甲4の段落【0007】)と記載されるとおり、フェノキシ樹脂とエポキシ樹脂とは、基本骨格が類似していることから、既に一定以上の相溶性が確保されており、両者の相溶性に問題があるとはされていない。したがって、樹脂組成物における多くの検討項目のうちから、格別、相溶性に着目して、A型同士、又はF型同士を混合して用いる動機付けはない」と主張した。

進歩性
平成19年(行ケ)第10306号 知財高裁 拒絶審決取消請求事件
平成20年10月28日判決
パラメータ発明の前提となる技術の構成要件がクレームで十分特定されていないため、進歩性を否定する審決が維持された事例。

進歩性
パラメータ発明
平成19年(行ケ)第10213号 知財高裁 審決取消請求事件
平成20年9月29日判決
『本願は実施可能要件及びサポート要件を満たさない』とした審決の判断は、当業者の技術常識を踏まえれば誤りである、との原告の主張が認められた事例。

特許法36条4項
     36条6項1号
平成19年(行ケ)第10430号 知財高裁 審決取消請求事件
平成20年9月4日判決
所定の純度(78%〜88%)を有する物質が公知である場合に、より純度の高い(93%以上)同一物質が、純度を明示しない引例によって新規性および進歩性を阻害されないとした審決が認容された事例。

特許法第29条1項および2項
平成19年(行ケ)第10377号  知財高裁(2部) 審決取消請求事件 請求棄却
平成20年7月23日判決
特定のエナンチオマーを特定の疾患用途に用いる第二医薬用途発明について、ラセミ混合物にいて作用が公知であれば、その効果の発現の程度を特定のエナンチオマーについて検討することに困難があるとは認められず、また、in vitroのデータがそのまま薬理効果又は副作用の差を示すものとして評価できるとは認められないから、顕著な効果を奏するということはできないとして、進歩性を否定する審決が維持された事例。

特許法29条2項(進歩性)
医薬用途発明
追試の参酌
平成14年(行ケ)第540号 特許取消決定取消請求事件
平成16年6月9日判決
補正による用語CDRの説明の追加が要旨変更にあたるか否か、訂正による請求項の削除により、特別に定義された用語CDRの意義が削除され、訂正後の請求項の同用語が通常の意味と解釈されることが特許請求の範囲を実質的に変更するものか否かが争われた事例

(旧)特許法第40条および第126条3項
知財高裁 平成19年行ケ第10144号審決取消請求事件
平成20年5月15日判決
「訂正発明の本件特定事項が明りょうでないとした審決の判断には誤りがないとして、特許無効の審決に対する取消請求が棄却された事例」(請求棄却)

最高裁第一小法廷 平成19(行ヒ)318 特許取消決定取消請求事件
原審:平成19年06月29日知財高裁平成18(行ケ)10314

平成20年7月10日判決
「特許異議の申立てがされている請求項についての特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正については,訂正の対象となっている請求項ごとに個別にその許否を判断すべきであり,原判決のうち本件特許の請求項1に係る特許の取消決定に関する部分は破棄を免れないとして、請求の一部が認容された」

知財高裁 平成19年(行ケ)第10323号 審決取消請求事件
平成20年6月19日判決
「クロマトグラフィーによる核酸混合物の精製分離法」の発明につき、国際公開第93/11221号(特表平7−501223号公報)に記載された発明等に基づき進歩性が否定された事例。引用文献に記載された事項の解釈等が争われた。
29条第2項
進歩性
知財高裁 平成18年(行ケ)第10346号〔知財3部〕 訂正拒絶審決取消請求事件
平成20年1月31日判決
本件発明(放射線感光材料用樹脂の製造方法)の訂正審判において、進歩性の欠如により独立特許要件を充足しないとした審決が取り消された事例(請求認容)

平成18年(行ケ)第10563号審決取消請求事件
平成20年5月30日判決
「感光性熱硬化性樹脂組成物及びソルダーレジストパターン形成方法」に係わる発明について、「除くクレーム」に係わる訂正を認めたたうえで無効審判の請求は不成立であるとの審決に対して、取消しを求めたが、棄却された。 知的財産高等裁判所 特別部。
除くクレーム
平成18年(行ケ)第10094号審決取消請求事件
平成19年7月30日判決言渡
拒絶審決(進歩性に関する)の取消を求めたが、請求棄却されて審決が維持された。
特許法第29条第2項
実験証明書
平成18年(行ケ)第10449号審決取消請求事件
平成19年12月26日判決言渡
優先権を主張する先願について、特許法第29条の2の先願としての適法性を争って、拒絶審決が取り消された事例
特許法第29条の2
優先日
平成18年(行ケ)第10262号 知財高裁第2部
判決 平成18年12月25日
本願明細書に従来技術として記載されていた文献を、拒絶理由通知において採用せず、審決で周知であるとして、主引用例に採用することは手続違背があるとして拒絶審決が取り消された。
特許法159条2項が準用する同法50条
周知技術
平成18年(行ケ)10452号 「樹脂配合用酸素吸収剤」
平成19年10月31日判決(知財高裁3部) 無効審判審決に対する審決取消訴訟
市販品を特殊用途として守秘義務を有する1社のみに販売していたとしても、その用途における実施は「公然実施」には該当しないと判示して、進歩性の判断の前提に誤りがあることから無効審決を取消した事例
公然実施
進歩性
特許法29条1項2号
29条2項
平成18(行ケ)第10015号
判決H19.11.29 審決取消請求事件、請求棄却
「解析装置の発明においては、常に一定の効果を発揮するからこそ『発明』ということができるものであり、明細書の記載は当業者が容易に反復して発明の実施をすることができる程度のものでなければならない」と判示して、「大規模な固定化ペプチド合成」に関する発明が特許法36条4項1号違反であるとする審決を維持した事例
特許法36条4項(実施可能要件)
特許法29条1項柱書(発明完成)
反復可能性
平成18(行ケ)第10509号
判決H19.10.11 審決取消請求事件、請求棄却
拒絶査定不服審判の審決に対する審決取消訴訟
36条6項1号
平成14年(行ケ)第258号
判決H15.11.28 審決取消請求事件、請求棄却
糖鎖を有するサブユニットから構成される生理活性タンパク質(ヘテロダイマー)のそれぞれのサブユニット遺伝子が公知である場合に、両遺伝子を同一の糖鎖修飾可能な宿主で発現させたことに進歩性がないとされた事例
29条第2項
進歩性
平成9年(行ケ)第302号
判決H12.2.17 審決取消請求事件、請求認容
遺伝子組み換えタンパク質の発明において、「他のヒトタンパク質を含まず、他のホルモンを含まず」との構成要件が技術的に意味を持たないことを理由に新規性を否定した審決が取消された事例(請求認容)
29条第1項
新規性
平成18年(行ケ)第10482号
判決H19.7.12 知財高裁 審決取消請求事件
本件発明(抗菌剤)の特許権存続期間の延長登録は認められないとした審決が支持された事例(請求棄却)
29条第2項
平成17年(行ケ)第10587号
判決H19.3.27 知財高裁第4部 審決取消請求事件
本件発明(抗菌剤)の特許権存続期間の延長登録は認められないとした審決が支持された事例(請求棄却)

平成18年(行ケ)10208号
判決H19.6.28 知財高裁第4部(田中信義 裁判長)
「特許請求の範囲で化学構造の一部分のみを特定し、特定されていない部分は任意の基を意味するという形式の記載は、特段の事情がない限り、特許法第36条第6項第2号に違反する」と判示した事例
36条6項2号
平成17年(行ケ)第10073号
知財高裁 審決取消請求事件 請求棄却 
「免疫反応性C型肝炎ウイルスのポリペプチド組成物」事件
 出願日前に、あるタンパク質のある機能の存在が期待され、それを確認しようとする強い動機付けがあった場合、周知手段により当該機能の存在を確認しても進歩性がないとされた事例(特許庁審判部「生物関連発明の主な判決事例集」掲載)
29条2項
動機付け
平成17(行ケ)10395号
審決取消請求事件 請求認容
事件名   木質合成粉の製造方法
 本願発明に係る木質合成粉の製造方法は、特公平4−48606号公報(刊行物1)に記載された発明及び特開昭58−102745号公報(刊行物2)に記載された技術事項並びに特開昭61−2505号公報(周知例1)特開昭60−30304号公報(周知例2)及び特開昭60−223843号公報(周知例3)にそれぞれ記載された周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり(審決判断1), また、特開昭60−30304号公報(周知例2、刊行物3)に記載された発明並びに特公平4−7283号公報(周知例4),特開昭61−273903号公報(周知例5)及び上記刊行物1、2にそれぞれ記載された周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものでもあるから(審決判断2),特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、との審決が取り消された。
29条2項
進歩性
平成17年(行ケ)第10661号
「触媒担体及びグラニュラー状物の平均粒径」に関して、単に平均粒径と記載しただけでは改正前の特許法36条5項2号及び6項の要件を満足していないとする異議決定が、技術常識等を参酌されて取り消された。(判決平成198年2月21日 東京高裁 平成17年(行ケ)第10661号〔知的財産第1部〕特許取消決定取消請求事件:決定取消)
36条5項2号及び6項
用語「平均粒径」の技術的意義の解釈
H18(行ケ)第10297号
判決H19.2.28 知財高裁 審決取消請求事件
事例内容「「MIT曲げ寿命が20万サイクル以上のフィルム乃至シート」に係る本願発明は、「MIT曲げ寿命が20万サイクル以上」であることに臨界的意義を見出せず、それによる効果も格別とはいえないため、引用発明に基づき進歩性が無いとした事例」
 本件は、特許出願人がした特許出願(特願平5―294493号)についての拒絶査定不服審判での審決は、相違点についての判断を誤った結果、本願発明の進歩性を欠くとの誤った結論を導いたものであるとして、その審決の取消を求めた事案である。
29条2項
臨界的意義
平成18年(行ケ)第10029号
判決H19.2.28 知財高裁 審決取消請求事件
知財高裁 平成18年(行ケ)第10029号 審決取消請求事件)
事例内容「炭化水素クリーニング液のカスケード効果を提供するように、・・・を選択する」は、引用文献の記載から自明であるとして、審決を取り消した事例」
<事件の概要> 特許→特許無効審判請求(請求項1ないし10)→請求棄却審決(請求項1ないし10)→審決取消訴訟提起(請求項1ないし10)→審決取消判決(請求項1ないし10)→特許無効審判請求(請求項1ないし10)→一部請求棄却審決(請求項1ないし7、9ないし10;無効)→審決取消訴訟提起(請求項8)→審決取消判決(請求項8)
29条2項





侵害差止等請求事件
事件概要 キーワード
特許権侵害差止等請求事件 平成22年(ネ)10086号  
知財高裁 平成23年8月9日判決 (判決:控訴棄却)
[請求項]
●【出願時】
 ガラス繊維織物のガラス繊維周囲にポリテトラフルオロエチレン微粒子が付着し、該ポリテトラフルオロエチレン微粒子間に光触媒微粒子が保持された空気浄化用シート。
●【特許査定時】
 ガラス繊維織物のガラス繊維の周囲にポリテトラフルオロエチレン微粒子が連通した隙間のある多孔質状に付着されているとともに、前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の隙間間に光触媒粒子が保持されていることを特徴とする空気浄化用シート。
[争点]
(1)構成要件C「前記PTFE微粒子の隙間間に光触媒粒子が保持されている」の充足性
(2)構成要件D「空気浄化用シート」の充足性
(3)均等論
差止
均等論
化学分析

「ジチオカルバミン酸塩」事件 平成21年(ワ)3409号  特許権侵害差止等請求事件
東京地裁 平成22年12月16日判決 (判決:請求棄却)
ジチオカルバミン酸塩の安定化に関わる本件訂正発明が、進歩性を欠き無効とされるべきものであるとして、特許権者の請求が棄却された事例。本件第1審と同時並行の無効審判事件において、特許庁は本件訂正発明が進歩性を欠くものではないとして、地裁とは逆の判断を示しており、ダブルトラックに関する事例である。
進歩性
訂正の再抗弁
ダブルトラック

「プラバスタチンナトリウム」事件 平成19年(ワ)第35324号  特許権侵害差止請求事件
東京地裁 平成22年3月31日判決 (判決:請求棄却)
プロダクト・バイ・プロセス・クレームにより特定された発明につき、技術的範囲が当該製造方法によって製造された物に限られると解され、被告製品の製造販売等の差止請求が棄却された事案。
特許発明の技術的範囲
プロダクト・バイ・プロセス・クレーム

「水系ゲル化剤」事件 平成20年(ワ)第14169号  損害賠償請求事件
東京地裁第29部 平成22年1月27日判決 (判決:請求棄却(非侵害))
「水系ゲル化剤」に係わる特許権を有する原告が,被告に対し,特許権を侵害するとして,損害賠償を請求したが、特許請求の範囲に記載の「オレフイン−無水マレイン酸共重合体」には、被告製品の「イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアンモニウム塩やアルカリ中和物」は含まれないとして、請求が棄却された。
侵害
文言の解釈
化合物


「産学共同研究損害賠償請求」事件 平成21年(ワ)第1652号  損害賠償請求事件
大阪地方裁判所 平成22年2月18日判決 (判決:請求一部認容)
「悪性リンパ腫に関する抗CD20モノクローナル抗体」の共同研究開発(本件共同研究)の関係者である原告および被告が、それぞれ単独で行った本件共同研究の研究成果に係る特許発明について、被告各出願において、原告の1人を発明者とせずに届出を行った被告の行為は不法行為としての違法性を有する行為であったと認められるとの判断とともに、原告の単独出願を理由により当該原告を発明者から除外した点については被告行為の違法性を阻却するものではないと判断された事例。
共同研究に係る特許出願
研究成果の盗用
冒認出願

平成21年(ネ)第10016号  特許確認等請求控訴事件
平成21年12月9日判決 (一部認容、一部棄却)
原審は、被告(控訴人)には,少なくとも米国特許に瑕疵があることを知りながら,これを秘して,取引の再開を持ちかけた点で,故意による詐欺行為があり、また、原告(被控訴人)は、被告の詐欺行為により,米国市場で米国特許を行使して他社商品を排除することができ,売上げを伸ばすことができるものと考えて,本件独占販売契約を締結したと認められるから,その意思表示の要素に錯誤があるとして、請求を認容した。  しかし、控訴審では、控訴人には,虚偽記載が最終的に無効や権利行使不可能の事由を構成することを本件独占販売契約の締結までに認識理解していたとは,認められず、欺罔する故意なかったとした。また、被控訴人にとって米国特許が維持されることが,本件独占販売契約締結の重要な前提であったとは認められないから,本件独占販売契約の要素に錯誤があったとはいえないとして、詐欺行為による損害賠償請求、錯誤等による不当利得返還請求の一部取消を認めた。
錯誤の無効
詐欺
債務不履行

平成19年(ワ)第3494号  特許権侵害差止等請求事件
平成21年8月27日判決
「除くクレーム」による補正が適法であるとして、被告の特許法104条の3の抗弁を排斥して、後発医薬品に対する差止め、損害賠償請求および補償金請求が認められた事例。  特許権者が特許発明を実施していない場合でも競合品を実施している場合には、特許法102条2項による損害賠償請求が可能であることが示された。
補正(除くクレーム)
先使用(事業の準備)
損害額
品質誤認表示
平成19年(ワ)第26761号  特許権侵害差止等請求事件
平成20年11月26日判決
高純度アカルボースについての特許権を有する原告が,被告に対し,被告製剤は原告が特許権を有する特許発明の技術的範囲に属し,原告の特許権を侵害するとして,差止めを求めたが、原告特許権に無効理由があるとして、請求が棄却された。
特許法104条の3
   29条1項3号
   旧36条3項又は旧36条4項
平成18年(ワ)第7760号  特許権侵害差止等請求事件
平成20年10月6日判決
いわゆるリサーチツールに関する特許を有する原告が、当該リサーチツールを使用して医薬品を開発する被告に対して差止等を請求したが、優先権の基礎出願が実施可能要件を満たさず、優先権の利益を享受できない結果、無効となるべき特許であるとして、原告の権利行使が認められないとされた事例
特許法第104条の3
   123条第1項第2号
   29条第1項第3号
平成19年(ワ)第2980号  損害賠償請求事件
「アルコールのエステル化方法」の特許発明について特許権を有する原告が、商品名を「花王エコナクッキングオイル」又は「エコナクッキングオイル」(その後商品名を「エコナ炒め油」に変更)を製造販売する被告に対し、当該特許権に基づく損害賠償を請求した。
特許法104条の3第2項
民訴第157条
(時機に後れた攻撃防御方法の却下等)
    第157条の2
(審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下)

平成18年(ワ)第6162号特許権侵害差止等請求事件
平成20年3月3日判決
無鉛はんだ合金に関して、原告が、被告の製造販売等の差止め及び廃棄を求めたが、認められなかった。また、特許に無効理由があるとされた。
特許法70条、72条
特許法104条の3の抗弁
   (特許法36条6項1号)
平成18年(ワ)第6663号
判決 H20.3.13(東京地裁 民事46部) 特許権侵害差止等請求事件、請求棄却
特許権侵害訴訟において、特許請求の範囲で規定された「表面粗度」の測定方法が争われ、明細書の内容及びJIS規格を参酌して、被告の主張が認められた事例。さらに被告の社内技術標準を証拠とする先使用権が認められた。
特許法70条
79条(技術的範囲、数値限定発明、表面粗度、先使用権)
平成17年(行ワ)第5863号
判決 H19.1.30 東京地裁 侵害訴訟
事例内容「特許請求の範囲に記載された文言を明細書の記載を参酌して解釈し、侵害を否定した事例」
70条