• 「ニュースレター第28号」(2018年10月)
    • H30.5.14判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10087号「建築板」事件

      相違点を認定するに当たっては、発明の技術的課題の解決の観点から、まとまりのある構成を単位として認定するのが相当であり、顔料の組合せは、ひとまとまりの相違点として判断するのが相当であるとして、原告の主張のように審決とは異なる相違点を認定したが、当業者が当該相違点を容易に想到できるとして、本件発明の進歩性を否定した審決を維持した事例。

    • H30.3.29判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10097号「ゲームシステム作動方法」事件

      電気分野における、主引用発明と同一部分を除いた「除くクレーム」の発明である本件発明の進歩性の判断において、主引用発明の構成を相違点の構成に変更しようとする動機づけはなく、かえって、相違点の構成を採用することには、主引用発明の技術思想に照らし、阻害要因があるとして、本件発明の進歩性を肯定した審決が維持された事例。

    • H30.8.22判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10216号「染毛剤、その使用方法及び染毛剤用品」事件

      明細書に具体的に開示されていない、乳化試験機の付属品である撹拌羽根の寸法を追加する補正について、当該撹拌羽根の形状、寸法は、販売開始以降、変更が加えられたことは一度もないこと等から、当該補正は、新たな技術的事項を導入するものではないとされ、当該補正を新規事項の追加であるとした審決を取り消した事例。

    • H30.6.27判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10178号「経口投与用組成物のマーキング方法」事件

      1 引用発明からレーザー照射により二酸化チタンに何らかの変性を起こすことによるマーキングを行う手法が理解出来うるものの、本件特許発明における、レーザー照射により二酸化チタンの粒子が凝集して変色することまでの開示はないとして、進歩性を肯定した審決を維持した事例。 2 本願発明における数値範囲は、当該数値の各上限値及び各下限値に臨界的意義があるのではなく、当該数値範囲内で所定の作用を伴うことを課題の解決原理とする発明であることから、全ての数値範囲において所定の効果を奏することについての記載が必要とされるものではないとして、サポート要件等を肯定した審決を維持した事例。

    • H30.5.24判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10129号「米糖化物並びに米油及び/又はイノシトールを含有する食品」事件

      サポート要件の判断において、出願時の技術水準等は、飽くまでその記載内容を理解するために補助的に参酌されるべき事項にすぎず、本来的には、課題を抽出するための事項として扱われるべきものではないとして、出願時の技術水準から課題を限定して認定に基づく決定を取り消した事例。

    • H30.7.26判決 東京地裁 平成29年(ワ)第14637号「ろ過カートリッジ」事件

      インターネット上のショッピングモールの店舗において、原告の周知な商品等表示である標章と類似する標章をウェブページのタイトルタグ及びメタタグに使用して家庭用浄水器のろ過カートリッジを販売する被告の行為が、不正競争防止法2条1項1号に当たるとして損害賠償を認めた事例。

  • 「ニュースレター第27号」(2018年6月)
    • H30.4.13判決 知財高裁特別部 平成28年(行ケ)第10182、10184号「ピリミジン誘導体」事件

      1 平成26年改正法前特許法下での無効審判不成立審決の取消しの訴えの利益は、特許権消滅後であっても、特許権の存続期間中にされた行為について、何人に対しても、損害賠償又は不当利得返還の請求が行われたり、刑事罰が科されたりする可能性が全くなくなったと認められる特段の事情がない限り、失われることはないとして、原告の訴えの利益を肯定した事例。 2 刊行物に化合物が一般式の形式で記載され、当該一般式が膨大な数の選択肢を有する場合には、特定の選択肢に係る技術的思想を積極的あるいは優先的に選択すべき事情がない限り、当該特定の選択肢に係る具体的な技術的思想を抽出することはできず、これを引用発明と認定することはできないとして、進歩性を肯定する審決を維持した事例。

    • H30.4.4判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10119号「空気入りタイヤ」事件

       副引例から、ブロックパターンを前提とした技術であることを捨象し、さらに、特定の技術的事項のみを抜き出して、副引例に当該技術が開示されていると認めることはできないとされ、その上で、当業者において、リブパターンであることに技術的意義を有するタイヤである主引用発明において、ブロックパターンであることを前提とする副引例の当該技術を適用する動機付けがあるとはいえず、むしろ、阻害要因があるというべきであるとして、本件発明の進歩性を否定した審決を取り消した事例。

    • H30.4.16判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10139号「モニタリング装置及び方法」事件

       引用発明において、条件判断の順序を入れ替えると技術的意義に変動が生じるため、複数の条件判断の順序を入れ替えることが通常行い得る設計変更であったとしても、引用発明に、当該条件判断の順序の入れ替えに係る構成を採用できず、引用発明における条件判断の順序を入れ替えることが、単なる設計変更であるとはいえないから、相違点に係る本願補正発明の構成は、容易想到ではないと判断された事例。

    • H30.3.12判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10040号「熱間プレス部材およびその製造方法」事件

       原告の再現実験は、あくまで、原告が本件各発明を認識した上で本件特許の優先日後に行った実験の結果を示すものであり、本件特許の優先日時点において、当業者が、引用発明の鋼板表面の皮膜状態の構造が上記のとおりであることを認識できたことを裏付けるものとはいえないとされた事例。

    • H30.1.23判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10047号「発光装置」事件

       特許請求の範囲に記載の発明の性能を達成するための具体的方法が明細書に記載されていない場合でも、前判決等で判示された内部量子効率の改善方法に関する技術常識に加えて、出願当時に類似物質で同等の性能が達成されていることを証拠に、当該発明の課題を解決できると認識できる範囲であるとして、サポート要件を充足すると判断された事例。

    • H30.4.4判決 知財高裁 平成29年(ネ)第10090号「医薬」事件

       治験に用いたサンプル薬に具現された技術的思想が本件発明と同じ内容の発明であるということはできないとして、控訴人の主張する先使用権が認められなかった事例。

    • H30.3.7判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10169号「ゲンコツコロッケ」事件

       本件登録商標の「ゲンコツコロッケ」は「ゲンコツ」と「コロッケ」を分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているとはいえず、「ゲンコツ」と「ゲンコツコロッケ」は類似すると判断された事例。

  • 「ニュースレター第26号」(2018年2月)