• 「ニュースレター第27号」(2018年6月)
    • H30.4.13判決 知財高裁特別部 平成28年(行ケ)第10182、10184号「ピリミジン誘導体」事件

      1 平成26年改正法前特許法下での無効審判不成立審決の取消しの訴えの利益は、特許権消滅後であっても、特許権の存続期間中にされた行為について、何人に対しても、損害賠償又は不当利得返還の請求が行われたり、刑事罰が科されたりする可能性が全くなくなったと認められる特段の事情がない限り、失われることはないとして、原告の訴えの利益を肯定した事例。 2 刊行物に化合物が一般式の形式で記載され、当該一般式が膨大な数の選択肢を有する場合には、特定の選択肢に係る技術的思想を積極的あるいは優先的に選択すべき事情がない限り、当該特定の選択肢に係る具体的な技術的思想を抽出することはできず、これを引用発明と認定することはできないとして、進歩性を肯定する審決を維持した事例。

    • H30.4.4判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10119号「空気入りタイヤ」事件

       副引例から、ブロックパターンを前提とした技術であることを捨象し、さらに、特定の技術的事項のみを抜き出して、副引例に当該技術が開示されていると認めることはできないとされ、その上で、当業者において、リブパターンであることに技術的意義を有するタイヤである主引用発明において、ブロックパターンであることを前提とする副引例の当該技術を適用する動機付けがあるとはいえず、むしろ、阻害要因があるというべきであるとして、本件発明の進歩性を否定した審決を取り消した事例。

    • H30.4.16判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10139号「モニタリング装置及び方法」事件

       引用発明において、条件判断の順序を入れ替えると技術的意義に変動が生じるため、複数の条件判断の順序を入れ替えることが通常行い得る設計変更であったとしても、引用発明に、当該条件判断の順序の入れ替えに係る構成を採用できず、引用発明における条件判断の順序を入れ替えることが、単なる設計変更であるとはいえないから、相違点に係る本願補正発明の構成は、容易想到ではないと判断された事例。

    • H30.3.12判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10040号「熱間プレス部材およびその製造方法」事件

       原告の再現実験は、あくまで、原告が本件各発明を認識した上で本件特許の優先日後に行った実験の結果を示すものであり、本件特許の優先日時点において、当業者が、引用発明の鋼板表面の皮膜状態の構造が上記のとおりであることを認識できたことを裏付けるものとはいえないとされた事例。

    • H30.1.23判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10047号「発光装置」事件

       特許請求の範囲に記載の発明の性能を達成するための具体的方法が明細書に記載されていない場合でも、前判決等で判示された内部量子効率の改善方法に関する技術常識に加えて、出願当時に類似物質で同等の性能が達成されていることを証拠に、当該発明の課題を解決できると認識できる範囲であるとして、サポート要件を充足すると判断された事例。

    • H30.4.4判決 知財高裁 平成29年(ネ)第10090号「医薬」事件

       治験に用いたサンプル薬に具現された技術的思想が本件発明と同じ内容の発明であるということはできないとして、控訴人の主張する先使用権が認められなかった事例。

    • H30.3.7判決 知財高裁 平成29年(行ケ)第10169号「ゲンコツコロッケ」事件

       本件登録商標の「ゲンコツコロッケ」は「ゲンコツ」と「コロッケ」を分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているとはいえず、「ゲンコツ」と「ゲンコツコロッケ」は類似すると判断された事例。

  • 「ニュースレター第26号」(2018年2月)