侵害差止等請求事件 » 平成25年(ネ)第10086号「接触操作型入力装置」事件

名称:「接触操作型入力装置」事件
債務不存在確認請求本訴,損害賠償請求反訴請求控訴事件
(原審: 東京地方裁判所:平成 19 年(ワ)第 2525 号(原審本訴)第 6312 号(原審反訴))
知財高裁:平成25年(ネ)第10086号 判決日:平成 26 年 4 月 24 日
判決 : 控訴人の請求却下、被控訴人の請求一部認容
特許法第 68 条、民法第 709 条、特許法 104 条の 3、特許法第 29 条第 2 項、民訴 157 条
キーワード:特許権侵害、損害賠償、無効理由の抗弁、損害額

[概要]
原告(控訴人)製品(原告製品目録に記載の iPod 等)が被告(被控訴人)の特許権を侵害
するとして、損害賠償請求を認めた事案の控訴審である。

[原審に付加された争点]
本件発明は当業者が甲135に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができた
か否か(争点2-11)
本件発明は当業者が甲136に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができた
か否か(争点2-12)
請求項2及び3に係る各発明は,いわゆるサポート要件(特許法36条6項1号)を充足
しないか否か(争点2-13)

[裁判所の判断]
(11) 本件各発明は当業者が甲135に記載された発明に基づいて容易に発明をすることがで
きたか否か(争点2-11)について
ア 時機に後れた攻撃防御方法
控訴人は,当審に至って甲135を提出し,甲135発明から本件各発明が容易想到であ
った旨の主張をした。同主張及び証拠の提出について,原審において提出できなかった事情
を見出すことはできないから,これらの主張等は,少なくとも重大な過失により時機に後れ
て提出された防御方法に該当すると認められる筋合いである。しかし,同主張及び立証は,
いずれも,訴訟の完結を遅延するまでもなく失当であることが明らかであるから,却下をせ
ずに判断することとした。
なお,控訴審に至って提出した甲136に基づく本件各発明が容易想到であった旨の防御
方法についても,却下をせずに判断することとした(争点2-12)。
ウ 本件各発明と甲135発明との相違点に係る容易想到性の有無
・・・甲135発明について,・・・相違点2・・・相違点3・・・相違点5に係る構成を
採用することは,当業者であれば容易に想到し得るとはいえない。
(12) 本件各発明は当業者が甲136に記載された発明に基づいて容易に発明することがで
きたか否か(争点2-12)について
・・・甲136発明において,相違点1・・・相違点2及び相違点3に係る構成を採用す
ることも,当業者において容易に想到し得るとはいえない。
(13) 請求項2及び3に係る発明は,サポート要件(特許法36条6項1号)を充足しないか
否か(争点2-13)について
・・・本件明細書の発明の詳細な説明の欄に記載されていると認められ,この点に関する控
訴人の主張も採用の限りではない。
[コメント]
控訴人が追加した争点には無理があると言わざるをえない。一方、被控訴人は、賠償額が
低すぎるとして控訴したのであるが、裁判所は原審の認定した損害額を追認している。報道
では、両者とも上告したとのことである。今後の行方に注目したい。