Phoenix(商標)事件

知財高裁:平成19(行ケ)10301(判決日:平成20124日)

拒絶審決取消請求事件

判決:請求棄却

 

概要

 標準文字で「Phoenix」との出願が,図形と結合した引用商標Phenixにより受けた拒絶審決の取消を求めた事件。引用商標には,IZUMI IND.CO.,LTDとの文字が2段書きされている点等の相違点により,非類似であるとの原告の主張が退けられ,審決が支持され,請求が棄却された。

 

裁判所の判断

  引用商標の図形である輪郭部分は,文字の飾り枠以外の格別の意味を有しない。また2段書きの下段に記載されたIZUMI IND.CO.,LTDはイズミ工業株式会社を意味するから,取引者,需要者は,これを会社の表示であると認識するのでPhenixと分離して把握すべきである。

 

引用商標

 

コメント

  LOVE事件(LOVEの文字商標を有する原告が,LOVE passport(2段書き)の)商標を使用する被告を訴えた事件)では,LOVEという文字、ラブという称呼、愛という観念においては共通するが、passportが2段書きされていて,全体として原告商標と被告商標とは、外観、称呼、観念において相違すると判断がされている。本ケースでは,同じ2段書きではあるが,2段目の文字は会社の表記であること,LOVE事件より文字が小さいことなどから,Phenixが分離して把握されると判断された。また標準文字は,どちらかというと上位概念的であり,先行商標が下位概念的であるから,拒絶を免れることができなかったものと思われる。逆に引用商標が標準文字で拒絶された場合には結論が逆になった可能性があると思われる。