イ号製品は、本件登録意匠(カーテンライナー)とは美感を異にする等として意匠権侵害差止等の請求が棄却された事例(請求棄却)

(判決H19.12.11 大阪地裁 平成18年()第14144号 意匠権侵害差止請求事件)

 

争点

(1)意匠権侵害関係

・イ号製品の意匠は本件登録意匠に類似するか。

(2)不正競争防止法2条1項1号違反関係

・原告商品1〜3の形態は原告の商品等表示として周知なものか。

・イ号〜ハ号製品の形態はそれぞれ原告商品1〜3の形態に類似し、混同のおそれがあるか。

(3)不正競争防止法2条1項3号違反関係

・イ号〜ハ号製品の形態はそれぞれ原告商品1〜3の形態を模倣したものか。

 

裁判所の判断

(1)意匠権侵害関係

・本件登録意匠とイ号製品の意匠とは、その共通する点はありふれた構成で需要者の注意を惹かないのに対し、その相違する点は、ランナー部とフック部とを組み合わせる上での具体的構成という、本件登録意匠の特徴点に関するものであるから、全体として相違点が共通点を凌駕し、イ号製品の意匠は本件登録意匠とは美感を異にし、両者は類似しないと判断した。

(2)不正競争防止法2条1項1号違反関係

・原告商品1〜3のランナー部とフック部とを組み合わせた基本的形態は、カーテンランナーがカーテンをカーテンレールにS字状フックを用いることなくワンタッチで装着できるという機能や効用を有するものとするために不可避的な形態であるといえ、このような同種の機能や効用を発揮するために不可避の形態については、同号にいう「商品等表示」該当しないというべきである。また、原告商品1〜3の形態が周知な商品等表示といえるか否かは、ランナー部、支軸部及びフック部のそれぞれの具体的形態及びそれらを組み合わせた具体的形態について検討する必要があるが、原告商品1〜3は、その基本的形態には商品等表示性を認めることができないものであり、加えて強力な宣伝広告がなされたともいえず、その販売量も明らかでないのであるから、原告の出所を表示するものとして需要者の間に周知なものとなったとは認めることができないと判断した。

(3)不正競争防止法2条1項3号違反関係

・イ号〜ハ号製品の形態は、原告商品1〜3の形態と実質的に同一とはいえないことは明らかであると判断した。

 

コメント

 裁判所が、同種の商品の機能や効用を発揮するために不可避の形態については、不正競争防止法2条1項1号にいう「商品等表示」に該当しないと解するべきであると判断したことは重要である。なぜなら、そのような不可避の形態を「商品等表示」とすると、同号が保護の目的とする出所表示機能の範囲を超えて、商品の機能や効用を独占することを認めることになるからである。